超趣味的蹴球観戦記 Vol.13 [2009.12.13] ― 平成21年度 埼玉県・栃木県 社会人サッカー連盟選抜交流大会 ― 埼玉県社会人サッカー並びにラトルズを愛する皆様こんにちは。 9月以降5本目の執筆となりまして、その更新頻度もさることながら私の気合の入れ具合を見ましても、 すっかりこのwebサイトのオフシーズンのメインコンテンツと化しております超趣味的蹴球観戦記。 第13弾は前回ご紹介した通り、12月13日に行われました埼玉県と栃木県の県リーグ選抜交流試合の 模様をお伝えいたします。 今年で7回目を数える栃木県との交流戦、毎年両県が交互に主催しておりまして、 今年は栃木県社会人サッカー連盟主催ということで、栃木県は鹿沼市にあります 鹿沼自然の森総合公園サッカー場での開催となりました。 そして今回はなんと埼玉県社会人連盟で大型バスをチャーターしていただき、 県1部、県2部の選手及びスタッフ総勢40名以上という大変な大人数で栃木県に 乗り込んで参りました。 早朝7:30に埼玉スタジアム正門駐車場に集合ということで、まだ夜も明けきらぬ寒空の下、 防寒の為まるでドラえもんのように着膨れするほど上着を着込んで愛車のポンコツKawasakiゼファー750に 跨って千葉県の自宅を出発。あまりの寒さに何度も引き返そうかと思ったのは冗談のような本当の話ですが、 集合時間の15分ほど前に到着すると、さすがは意識の高い選手達の集団だけあって、早朝にもかかわらず 既に大半の選手達が集結しておりました。
そして無事予定通り全員集合、簡単な挨拶を済ませた後バスに乗り込み栃木県に向け出発いたしました。 行きは渋滞もなく順調そのもの、佐野SAでの休憩を挟み、9:15くらいにこの日の試合会場である 鹿沼自然の森総合公園サッカー場に到着しました。 現地に到着し、栃木県との親睦会のため前泊していた埼玉県社会人連盟の方々と合流。 セボの椙田監督は前日富岡さんにワインをこぼされ買って間もないシャツが大変なことになってしまったとか。 その富岡さんの姿が見当たりませんでしたが、聞いたら飲むだけ飲んで帰ってしまったそうです(笑)
ロッカールームでの着替えや用具の準備を終え、10:00から開会式。 埼玉県から栃木県に対し記念品としてボールを贈呈。そして優勝カップの返還などが行われました。 県1部に限れば過去6戦全敗の栃木県はこの試合にかなり意気込みを入れているようで、 各チーム監督挨拶の際、栃木県1部選抜の監督が今回こそ勝てるよう本気で挑みます、と話していました。 埼玉も気合を入れていきましょう。
2部選抜としては幸先良く勝利を挙げ気持ち良く1部選抜にバトンを渡すと共に、サッカー王国埼玉の代表として、 埼玉の裾野の広さやレベルの高さを見せる為、とにかく勝利が義務付けられた非常に重要な戦いです。 今回の県2部選抜の選考基準ですが、これまでの2部選抜は1部選抜の前座のような雰囲気がどうしても拭えず 選手選考も毎年定められた基準がなかったそうですが、今回からは1部選抜と同じように2部選抜も今後継続的に 強化していくということで、今後将来的に各チームを背負っていくであろう20代前半の若手選手を中心とした選出となりました。
今回の県2部選抜は若手中心ということで、各チームの中心である中堅からベテランの実績ある好選手を 選出しておりませんが、それでもこの錚々たる顔ぶれ。他にも多くの素晴らしい選手達が集まってくれました。
さていよいよ県2部選抜の試合。 序盤15分間はシンプルに相手の裏を狙ってロングボールを主体とした攻撃。 早い段階での先制点で試合を優位に進めたいところでしたが、栃木県選抜のしっかりとした守備に阻まれ得点が奪えず、 膠着状態が続きます。1トップの牛窪選手(ロク)に鈴木選手(ロク)、荒井選手(サンシン)が絡み何度かフィニッシュまで 持ち込むシーンも見られましたが精度を欠き得点には至らず。 栃木県の方は一瞬のスピードを持つ選手が多く、またワンタッチ、ツータッチでシンプルに捌かれ何度か攻め込まれる 場面もありましたが、栗原選手(ラホージャ)を中心とした埼玉県の守備陣が安定感を見せピンチはほとんどなく、 0-0のまま試合が進みます。 すると前半の半ばに、相手ゴール前でFW牛窪選手(ロク)がDFと競り合いながら浮き球を巧みにループ気味に 浮かせると、これが奇麗にゴールに吸い込まれ待望の先制点を奪います。 序盤硬さの見られた埼玉県選抜ですが、このゴールで落ち着きを取り戻すと動きも徐々に良くなり、中盤中央の 荒井選手(サンシン)を中心に次々とチャンスを演出。すると左サイドから鈴木選手(ロク)が入れた絶妙のクロスを、 ゴール前に走りこんだ秋元選手(全酪)が滑り込みながら押し込み追加点。 前半終了間際に際どいミドルシュートを浴びる大ピンチもGK水間選手(ロク)の好セーブで防ぎ、 2-0と最高の形で前半を折り返します。
後半、意地を見せる栃木県選抜に中盤の攻防で劣勢になる時間帯もありましたが、2枚のセンターバック、 栗原選手(ラホージャ)と吉清選手(武南)が要所を締めて相手に得点を許さず。 普段クラブでは左サイドバックを務める吉清選手ですが、武南のチームメイト関根選手が 「吉清が真ん中やんの初めて見た」というほど慣れないポジションだったにもかかわらず、 終始落ち着き払った素晴らしいプレー。やっぱり上手い選手はどこをやらせても上手いですね。 そして守備陣の奮闘に応えるように、中盤から前の選手も時間と共に内容が良くなり後半の半ば以降は 完全に埼玉県が主導権を握ります。特に中盤の真ん中の荒井選手(サンシン)は獅子奮迅の素晴らしい活躍。 高いキープ力で攻撃の起点になると、巧みな技術で次々と効果的なパスを供給。守っても豊富な運動量と 果敢なタックルで相手のチャンスの芽を潰す強さを見せ、ボールのない時でも常に声を張り上げ味方を鼓舞するなど 完全にチームの主役となる大活躍。リーグ戦で対戦する度に素晴らしい選手だとは思っていましたが、 こうして味方として戦い、改めて能力の高さや気持ちの強さに驚かされました。 ゲームの主導権を握りノリノリの若い選手達、GKとの一対一の決定機でループを失敗した鈴木選手(ロク)は、 再び訪れた一対一でベンチの関根選手の「もう1回!」の声に釣られまたもやループを試みますが、 ボールはクロスバーを遥かに越える大失敗で、罰則としてベンチに下げられる羽目に。ベンチは爆笑の渦。 途中出場の上城選手(北坂戸)は素晴らしい飛び出しからペナルティエリア内に侵入しGKとの一対一の 決定機に持ち込みますが、落ち着き払って打ったシュートはまさかの真正面でGKガッチリキャッチ。 北坂戸SCが昇格できなかった理由が何となく分かったような気がしました(笑)
圧倒的に攻めながらなかなか得点に結びつかない状態が続いていましたが、この状況を打破したのは FW牛窪選手(ロク)、左からのグラウンダーぎみのクロスボールを滑り込みながら蹴り込み、これで3-0。 最後は先ほど決定機でミスした上城選手が左サイドからゴール前に絶妙のボールを送り込むと、 長い距離を走ってゴール前まで侵入した荒井選手(サンシン)が落ち着いて決めてダメ押し。 県2部選抜の試合は埼玉県が見事4-0で勝利する最高の結果になりました。 ベンチから絶えず声を出し続け選手達を鼓舞した斉藤監督、コーチとは名ばかりで写真ばっか撮っていた私、 縁の下から素晴らしいサポートでチームを支えてくれた桑原マネージャー、我々スタッフ3人も安堵の表情でガッチリ握手。 即席という難しい状況の中で素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた選手達、本当に素晴らしい戦いをしてくれて 心から感謝しています。 前の週、1部選抜との練習試合での活躍が認められ右サイドバックとしてスタメン出場となった我がラトルズの 細田(耕)選手は、序盤こそ緊張のあまりカチンコチンでしたが、徐々に持ち味を発揮しラトルズの代表として 精一杯頑張ってくれました。ベンチに戻って来た後に周りの選手達から「何でそんな緊張すんだよ(笑)」と 突っ込まれていましたが、本人は非常に良い経験をできたようで、今後に大いに期待が持てる貴重な機会になりました。 抜群に若い今の内からこういった舞台をどんどん経験して、将来長い間ラトルズを引っ張って行ける大きな存在に なってほしいと思います。
先陣を切って完封勝利を挙げた県2部選抜の面々が見守る中、そのバトンを受けて県1部の選手達の登場です。 県2部選抜のマネージャー桑原さんは、昼食も取らずに引き続き県1部選抜のベンチに入る奮闘ぶり!素晴らしい! KOJIさん改め久松さんによると(※ペンタキューブ参照)、 >とりあえず、今回の交流戦でわかった事実がひとつありますので、 >それだけはなんとしても皆さんにお伝えしておきたい。 >それはですね、 >ベンチに美人マネージャーが座っているとモチベーションが驚くほど高まる、ということです。 >まあ誰とははっきり言いませんが、某P川越の某K選手には効果ありまくりだったようです。 >ということで今後もよろしくお願い致します。 大好評だったみたいです。 ちなみに、全くもって同感です。 さて、前の週に負傷してしまい出場が危ぶまれていたセボジータス保谷選手ですが、怪我の状態を聞くと 「バッチリ治して来ました!」さすが野生児!この試合はベンチスタートで後半からの出場に備えます。 そういえば昨年の観戦記で書いたラトルズオリジナルストラップのことを覚えていて、 「早くストラップくださいよ〜。マジで着けますよ!」とせがまれました。 よ、よく覚えてるね…。では早速ラトルズの総力を結集して製作に取り掛かることにします。 同じくセボジータスの菅原選手は「セボといえば保谷じゃなくて菅原ですよ!」 ただ、絶好調時の菅原選手は恐ろしいほどの無敵状態だそうですが、相手に削られて からじゃないと本気出せないらしいです(笑) その他高校入学にまつわる面白エピソードなどを聞かせてもらいました。ヤンチャだったんだな〜 県1部選抜の2トップは鈴木竜基選手と矢内選手、そして中盤には今年の国体埼玉代表の 超絶テクニシャン山崎選手、坂戸シティFCに所属する3選手がチームを牽引します。 先週の練習試合でボッコボコにされたばかりの県2部選抜は皆1部の圧勝を期待して観戦しておりましたが、 この試合に並々ならぬ意気込みで臨む栃木県1部選抜が予想以上の奮闘で序盤は全く互角の展開。 すると前半の半ばに一瞬の隙を突かれ先制点を許してしまいます。 ピッチを飛び出しベンチの控え選手に抱きつくほど歓喜を爆発させる栃木県選抜。 これだけ見ても栃木県のこの試合に賭ける気持ちが伝わってきます。 なおさら負ける訳にはいきません、サッカー王国埼玉代表。 ビハインドを背負った埼玉県選抜ですが、昨年の交流戦でも逆転勝利を収めているだけにピッチ上の選手達は冷静そのもの。 すると僅か5分後に右からのクロスボールをFW矢内選手(シティ)が右足で目の覚めるような弾丸ボレーを叩き込み あっという間に同点。直後には16番上里選手(パイオニア)が左サイド深い位置から中央へ絶妙のボールを送ると、 これを鈴木選手(シティ)が落ち着いて決めて瞬く間に逆転。さらにゴール前のこぼれ球にいち早く反応した鈴木選手(シティ)が この日2点目となるゴールを決めて3-1、坂戸シティFCの2トップの活躍で2点リードで前半を折り返します。 後半、埼玉県選抜は数え切れないほど大量の選手交代でスタート。 得点を挙げた2トップに代えて、セボジータス保谷選手と浦和レッズアマ橋本選手を投入。 それにしても豪華すぎるメンバー構成です。 大量交代の影響で最初はリズムが若干狂っていましたが、2点のリードを得ていることもあり終始落ち着いたゲーム運びで 優位な状況を保ちます。半ば過ぎにはゴール正面約20mの位置から木村選手(西武台)が芸術的なFKを決めて4-1。 終盤意地を見せる栃木県選抜に1点を返されましたが、結局4-2と危なげない勝利を挙げました。 注目の保谷選手は終盤に相手DF、GKまで交わし左足で無人のゴールに流し込むつもりが、枠を僅かに逸れて惜しくも得点ならず。 という訳で不発の保谷選手は罰としてオリジナルストラップ没収です(笑) わはは
栃木県のみなさん、ありがとうございました! さて、以上のように2部選抜、1部選抜ともに快勝で幕を閉じました。 普段別々のチームでライバル関係にある選手達、特に2部選抜は今回初めて言葉を交わす選手達も多かったと思いますが、 ぎこちなさは全く感じさせず最後の方はすっかり一つのチームに、「このメンバーでチーム組んで県リーグ戦いましょうよ!」 なんて冗談が飛び交うほど、それくらい素晴らしいまとまりを見せてくれました。 数回にわたるミーティングで斉藤監督がしきりに言っていましたが、サッカーを続けていなかったら絶対に 知り合うことはなかった全くの赤の他人が、ボール一つでこうして年齢や出身地、母校や所属チームの枠を超えて 繋がりを持ち友情を芽生えさせることができる、サッカーの素晴らしさ、楽しさに、改めて気付くことができました。 そんな素晴らしいチームの中に少しでも自分が関わらせて頂けたこと、本当に嬉しく思い心から感謝しています。 選手のみんなと同じように、私も非常に良い経験をさせてもらったので、この経験をチームに還元させて ラトルズの更なる飛躍に向け頑張っていきたいと思います。
という訳で今回の観戦記はこれでおしまい。長々とお付き合い頂きありがとうございました。 次回はいつどこに現れるのか。年が明けると彩の国カップ、それからリーグ戦への準備が始まりますので次回の観戦記は 当分先になるかとは思いますが、来年秋まで休止ってのも寂しいのでGWあたりにどこかに出没できればと思っております。 それでは皆さんまた会う日まで! |
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