超趣味的蹴球観戦記 Vol.6 [2005.11.19]

    ― 平成17年度 第39回関東社会人サッカー大会 1回戦 ひたちなか会場

       飯能セボジータス(埼玉県1位) VS 東京海上日動火災保険潟Tッカー部(東京都3位)

           与野蹴魂会(埼玉県3位) VS 鞄立ビルシステムケアサッカー部(東京都2位)

            FC西武台(埼玉県4位) VS 千葉教員サッカークラブ(千葉県1位)―


関東リーグ昇格の2枠を賭けて関東1都7県のリーグ上位のチームで争われる関東社会人サッカー大会が、11月19日〜22日茨城県で開催されました。出場したのは以下の16チーム(カッコ内は今期のリーグ成績)。
トーナメントで争われ、決勝まで進出した2チームが関東リーグ2部に自動昇格することになります。

埼玉4
飯能セボジータス(1位 12勝6敗)
パイオニア川越事業所サッカー部(2位 9勝3敗6分)
与野蹴魂会(3位 9勝6敗3分)
FC西武台(4位 9勝6敗3分)

東京3
FC町田ゼルビア(1位 10勝1敗2分)
鞄立ビルシステムケアサッカー部(2位 10勝1敗2分)
東京海上日動火災保険潟Tッカー部(3位 8勝3敗2分)

神奈川2
南フットボールクラブ(1位 7勝1敗3分)
六浦フットボールクラブ(2位 7勝2敗2分)

栃木2
宇都宮フットボールクラブ(1位 11勝3敗0分)
揚茜クラブ(2位 9勝4敗1分)

千葉1
千葉教員サッカークラブ(1位 13勝2敗5分)

群馬県1
図南サッカークラブ群馬(1位 11勝1敗2分)

山梨1
ファミリークラブ千塚(1位 6勝1敗1分)

茨城1+1
トステムフットボールクラブ(1位 8勝2敗4分)
全神栖サッカークラブ(2位 8勝2敗4分 開催県枠)


各都道府県の出場枠は協会の登録チーム数の比率で決まるようです。
1種社会人で600チーム近い登録数を誇る埼玉県からは最多の4チームが出場。


飯能ブルーダーが昨年関東リーグに昇格し、群雄割拠の埼玉県リーグ1部を制したのは、同じ飯能を本拠地とする飯能セボジータス。
今年のリーグでの失点は18試合で34点と10チーム中7位の数字でしたが、取られても取り返す爆発的な攻撃力(リーグ最多の52得点)を武器に初の栄冠に輝きました。関東社会人大会は、埼玉県4位で出場した昨年に続き2年連続2度目の出場です。

2位はリーグ7位の得点数(27点)ながら断トツに少ない18失点と、セボジータスと対照的な堅守を武器にするパイオニア川越。

3位に入ったのは長年埼玉県上位に君臨し、マニアに限定すれば全国的な知名度を持つ与野蹴魂会。

そして混戦の中、4位に滑り込んだのがFC西武台。前半戦は降格ゾーンを彷徨うほど苦しんだものの、後半9試合は7勝1敗1分の驚異的な成績で一気に順位を上げ、初めて埼玉代表の座を掴みました。

それにしてもセボジータスと西武台、スゴすぎです。少し前まで同じリーグにいたのに今では遥か雲の上の存在に…

表にしてみたら泣けてきました。

チーム/年度  2001  2002  2003  2004  2005
FC西武台 県3部西(優勝) 県2部(3位) 県2部(2位) 県1部(7位) 県1部(4位)
飯能セボジータス 飯能市(優勝) 県3部西(2位) 県2部(優勝) 県1部(4位) 県1部(優勝)
狭山ラトルズSC 県3部西(5位) 県3部西(7位) 県3部西(2位) 県2部(12位) 県3部西(2位)

当時からこの2チームは別格でしたが、まさかこんな短期間で埼玉を代表するチームになるとは…
リーグでしのぎを削った者として(正直に言うと一方的にぶちのめされただけですけど涙)ここは応援に行くしかないでしょう。


与野蹴魂会 VS 日立ビルシステムケアは
延長までもつれ込む大熱戦となりました。
今年の開催地は茨城県水戸市&ひたちなか市。関東で唯一HPを持たない茨城県サッカー協会が主管ということもあり情報収集で少々手間が掛かりましたが、神奈川県サッカー協会やFC町田ゼルビアのHP、それからFC西武台の友人に電話で確認したりしてスケジュール&試合会場をチェック。
すると幸か不幸かセボジータスと西武台は同会場の隣り合わせのグラウンドで同時キックオフ。一緒に観れるのは移動が無くていいんですが、両方勝った場合は次の準々決勝で対決。つまりどちらかが関東昇格争いから脱落することになります。できれば決勝で両チームの対戦を観たかった。
会場はひたちなか市総合運動公園スポーツ広場。ちょっとした小旅行です。
前の試合で与野蹴魂会 VS 日立ビルの試合が行われるため少し早めに出発。
今日もやっぱり電車です。十分間に合うつもりで出掛けたんですが、この常磐線というのが遅い!停車3分とか5分とかは当たり前。でも景色はいいです。
土浦を過ぎた辺りから見事な田園風景で、頭の中には無意識に「世界の車窓から」のメロディーが。(てれってってってて〜てて〜〜て〜て〜〜〜て〜〜〜)ほのぼの。
まいっか、すこしくらい遅れても。

最寄の勝田駅から会場までバスが出てないようなのでタクシーで。運転手さんの話によると、会場の総合運動公園や隣のひたち海浜公園、自動車安全運転センターを含む海岸一帯は昔、米軍の射爆場だったようです。もともとは昭和13年に陸軍が建設した水戸飛行場、戦後米軍に摂取され射爆場として使用した後、昭和43年に返還されたそうです。知らなかった。

会場に到着しグラウンドに行くまでの間に、ストレッチ中のFC西武台・セボジータスのメンバーに軽く挨拶。みんないい顔してます。

グラウンドでは第1試合の与野蹴魂会 VS 日立ビル と 全神栖SC VS 宇都宮FCの試合が行われていました。
与野蹴魂会のゴール裏の土手に腰掛けて観戦。スコアの分からないまま前半終了、誰かに聞きに行こうかと思っていたら後半の早い時間に与野蹴魂会が得点。すると選手達が「2-0は危ないよ、これからだぞ!」などと声を掛け合っています。よっしゃ勝ってる!2-0だ!

何とかこのまま逃げ切ってほしいのですが相手は強豪日立ビルシステム、劣勢です。直接FKを叩き込まれ1点差に詰め寄られるとさらに相手が勢い付き、終了間際に追いつかれてしまいました。試合は20分の延長へ。
流れは完全に日立ビルだったんですが、延長前半を耐えると後半与野蹴魂会が勝ち越し!
残りの時間は相手陣内で老獪に時間稼ぎ。埼玉勢の先陣を切って準々決勝に進出です。

しかし日立ビルの社員の方か家族の方かな?大勢応援に駆けつけていて、その中の一部だと思うんですがマナー悪すぎです。
特にレフェリーの判定に対する罵声が酷い。一緒に観戦してる人も気分悪いだろうし、何より一生懸命戦っている選手達が報われません。選手もせっかく応援に来てもらってる以上「やめてくれ」とは言えないだろうし…あれだけ罵倒すればゲームに影響しますよ絶対。レフェリーも人間なんですから。必死に応援しているのは分かるんですけど、もう少し違った方法でできないかな、と思いました。


試合開始直前のフェアプレーセレモニー。
青がセボジータス。芦川選手、スタメンです。
さあいよいよセボジータスと西武台の登場。セボジータスが先にキックオフ。
西武台は前の試合の神栖VS宇都宮がPKまでもつれ込んだ影響で15分遅れのキックオフになりました。
ここからは、第1試合は本部で観戦していた埼玉県協会理事の門田さん、社会人連盟の小島さん、西部地区役員の伊東さんのお三方と一緒に、両方の試合が見渡せる土手の上で観戦です。
先に試合が動いたのはセボジータスVS東京海上日動火災。開始からいい形で攻めていたものの、なかなか得点が奪えない状態が続いていたんですが待望の先制ゴール。
さらに細かいパス回しから裏へ抜け出してポスト直撃のシュートを放つなど、何度かゴールを予感させるプレーが続きましたが、一つのプレーで流れが一転。
相手がゴール前に放り込んだ長距離のFKを、キーパーが目測を誤ってしまいそのままゴール。その後は勢いに乗る相手に再三浅いラインの裏を突かれピンチを迎えると、まさかの逆転ゴールを浴び1-2で前半を折り返します。

一方の西武台VS千葉教員。やや劣勢で決定的なピンチなどもあったんですが、粘り強い守備でしのいで前半は0-0。勝負は後半に持ち越されます。
いや〜2試合同時ってのは大変です。忙しい。
あっちがチャンスを迎えたかと思ったらこっちがピンチになったり、両方ピンチの時なんか首が壊れるんじゃないかと思うくらいの高速回転。しかも着ているユニフォームがセボジータスがオール青、対戦相手の東京海上がオール白。逆に西武台はオール白、相手の千葉教員がオール青、余計に混乱します。
内容も拮抗しているため冷静になんか見ていられません、ただただ両チームの勝利を祈るのみ。

すると後半、0-0の均衡を破り西武台が先制!さらに相手を突き放す追加点で2-0。ベンチは狂喜乱舞。鳥肌が立ちました。

なかなか追いつけなかったセボジータスも、西武台の頑張りに触発されたのか直後に同点ゴール!
土手の上で応援している僕ら4人も、寒さも忘れて大興奮。小島さんも「県3部を作った甲斐があったなぁ」と感慨深げ。分かりますよその気持ち!

この時間になると門田さんの電話も大忙し。ここまで応援に来れなかった県リーグ関係者からの問い合わせや、もう一つの会場で行われているパイオニア川越 VS 町田ゼルビアの経過報

試合前にベンチで円陣を組むFC西武台。頑張れ!
告などひっきりなしに掛かって来ます。 「セボ追いついたぞ!」 「西武台いける!2-0!」 「パイオニアは?0-3!?」

そして全ての関係者の願いを乗せて遂にセボジータスが逆転のゴール!決めたのは芦川選手!下まで飛び降りて行って抱きつきたい気分でした。結局これが決勝点となり3-2で勝利。西武台も1点失ったものの、もう一度突き放し3-1で勝利。パイオニア川越は残念ながらゼルビアに0-3で破れてしまいましたが、与野蹴魂会の勝利と合わせ埼玉勢は3勝1敗。すごい。役員の三人も鼻高々、満面の笑みです。
セボジータスや西武台にはまだまだ遠く及びませんが、ラトルズもこうして多くの方から応援してもらえるチームになりたいなと強く思いました。頑張らねば。

11/19 1回戦の結果
トステムFC
(茨城県)
1-0 図南SC群馬
(群馬県)
全神栖SC
(開催県)
0-0
5PK4
宇都宮FC
(栃木県1位)
揚茜クラブ
(栃木県2位)
2-1 南FC
(神奈川県1位)
与野蹴魂会
(埼玉県3位)
3-2 日立ビルシステム
(東京都2位)
パイオニア川越
(埼玉県2位)
0-3 FC町田ゼルビア
(東京都1位)
FC西武台
(埼玉県4位)
3-1 千葉教員SC
(千葉県)
六浦FC
(神奈川県2位)
4-0 ファミリークラブ千塚
(山梨県)
東京海上日動火災
(東京都3位)
2-3 飯能セボジータス
(埼玉県1位)

※その後の展開
皆さんご存知の通り、今回関東リーグに昇格したのはFC町田ゼルビアと全神栖SC。
飯能ブルーダーに続き2年連続で埼玉からの昇格が期待されましたが、残念ながら3チームとも敗退してしまいました。
与野蹴魂会は準々決勝で準優勝した全神栖SCに2-0とリードしながら終盤に追いつかれPK負け。
西武台は準々決勝でセボジータスと対戦し、県リーグでの相性の良さを生かせず1-4の敗戦。
セボジータスは関東昇格の懸かった準決勝で全神栖SCに1-2とまさかの敗戦。

来年に期待しましょう。次回の開催地は順番からいくと群馬かな?今度は大応援団を結成して行こう。臨時サポーター募集!
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