超趣味的蹴球観戦記 Vol.17 [2012.11.10]

― 第46回 関東社会人サッカー大会 1回戦 ―

みなさまご無沙汰しております。いよいよこの季節がやって来ましたね!
都県リーグに所属している人間からすると一年で最も熱くなるイベントと言っても過言ではありません、
関東リーグ2部昇格を賭けて関東各都県の強豪が集い熱い戦いが繰り広げられる関東社会人大会!

実は昨年の栃木大会もラトルズのメンバーを多数引き連れ泊りで観戦に行ったのですが、
カメラを忘れる(厳密に言うとカメラは持参したが充電したままの電池を自宅に忘れる)という
大失態が原因で観戦記を執筆することができませんでした。
という訳で2010年の東京大会以来2年ぶりの関東社会人大会観戦記になります。

さて今年の大会は皆様ご存じの通り地元埼玉開催。開催県ということで埼玉県リーグに開催枠が与えられ
通常の4枠プラス1枠の5チーム出場という好条件でしたので、我が狭山ラトルズもこの大会への出場を
目指しリーグ戦を戦いましたが、県1部の強豪チームの皆さんの厚い壁に阻まれ6位フィニッシュ、
残念ながら今大会への出場を逃してしまいました。
来季こそ目標としている関東大会への出場をメンバー一同で誓いつつ、今年埼玉県を代表して
関東リーグを目指すライバルの皆さんの応援に今年も行って参りました。

組合せはこちら。


埼玉県から出場する5チームは…

@坂戸シティFC
 前人未到の埼玉県リーグ4連覇(と思ったら過去に本田和光が8連覇 '91〜'98 してるようです)を達成。
 関東社会人は5年連続5度目の出場。過去4大会はいずれも敗れたチームが昇格するという不運な巡りあわせが
 続いています。名実ともに埼玉県の王者坂戸シティ、今年こそ関東昇格を期待したいところです。

A越谷FC
 長い歴史と安定した成績で埼玉県上位に君臨する東部地区の雄。堅実なサッカーと堅守速攻のスタイルを武器に
 2位という好成績でフィニッシュ。今年の全社関東予選では東京王者青梅FC相手に守り勝った試合巧者です。

Bアルドール狭山FC
 こちらは説明不要ですね。ラトルズと同じ狭山をホームタウンとする新興クラブですがその実力は折り紙付き。
 狭山ジュニアユース出身の実力派選手で構成されるOBチーム。紆余曲折ありましたが今年遂に県1部に昇格し、
 初年度で関東社会人出場という快挙を成し遂げました。

CFC西武台
 創立十数年と比較的若いクラブですがその実績を考えればもはや名門の部類に数えられても良いかと思います。
 西武台高校の卒業生で構成される強豪クラブ。西武台高校譲りの高い技術と細かいパスワークを駆使した
 サッカーを主体としながら今年はリスク管理も徹底し、しっかりと守備も整備した現実路線で特に後期は無類の
 強さを発揮し4位まで浮上。2年ぶりに関東大会まで駒を進めました。

DクマガヤSC
 開催枠での出場は昨年まで飯能セボジータスとして活動していたクマガヤSC。
 シーズン前に昨年解散したルミノッソ狭山から大量補強。リーグ戦終盤調整を繰り返した関係で今大会は
 5位での出場となりますが、間違いなく優勝に近い成績も狙えたその実力は県内誰もが認めるところ。
 特に前線のスピードと中盤の構成力を軸にした爆発的なオフェンスは県リーグレベルを超越した恐るべき
 力を持っています。

埼玉県以外の出場チームで注目は、
先日の市原カップで関東勢相手に好成績を残した千葉県1位のVONDS市原。
爆発的な加速と卓越したテクニックを持つエース岩田選手擁する東京都1位青梅FC。
昨年の栃木大会で観た豊富な運動量と切り替えの早さは驚異でした、群馬県1位tonan前橋サテライト。
他にも神奈川県1位六浦FC、東京都2位早稲田ユナイテッドなど強豪目白押し!


さて前置きが長くなりましたが、今回観戦に行ったのはもちろんラトルズのホーム狭山赤坂の森。
そして観戦に訪れたサッカー馬鹿たちはこちら(笑)…と佐藤代表も会場の役員として参加されました。


坂戸シティFC(埼玉県1位) vs 三菱商事サッカー同好会(東京都3位)



まず最初に行われたのが埼玉県王者坂戸シティFCと東京3位の三菱商事。
硬くなる初戦、しかもどのチームもモチベーションも高いのでいくら坂戸と言えど簡単な試合にはならないと
若干心配しておりましたが、蓋を開けてみればそんな心配も稀有に終わり序盤から坂戸のENJOY FOOTBALLが炸裂。
坂戸シティ特有の高いポゼッションで試合を完全に支配すると、11分に右からのグラウンダー気味のクロスを矢内選手が
押し込み先制!


その後も相手に対し守備の的を絞らせない巧みなポジショニングと圧倒的なポゼッションで支配し続けると、
29分にはゴール前のこぼれ球を安楽選手が蹴り込み追加点、最高の展開で試合を優位に進めます。


その後坂戸シティが攻め込むシーンが続きますが得点には至らず2-0で前半を折り返します。

主力選手を業務の関係等で数名欠いていたという三菱商事、後半に入るとようやく盛り返し前半に比べ拮抗した展開。
しかし坂戸シティも冷静に対処し、より勝利を確実にすべくリスクを排除ししたたかに時間を費やします。

際どいシーンも守護神馬渕選手の好判断で相手に得点を許さず。



パイオニア川越から復帰した鈴木選手がネットを揺らすシーンもありましたが惜しくもオフサイド。


ゲーム終盤には創立初期からチームを支える小川代表が登場!
ラトルズ応援団の間からは「行け小川!農三の10番!」とか興奮ぎみに歓声が上がっていました(笑)



そして坂戸シティは守護神馬渕選手や大黒柱大貫選手を中心にリスクをしっかりと管理しながら相手の攻撃をシャットアウト。
前半で早々と挙げた2点のリードを保ち最高の形で関東リーグ昇格への第一歩を踏み出すことができました。

【写真集 関東社会人サッカー大会1回戦 坂戸シティFC vs 三菱商事サッカー同好会】


tonan前橋サテライト(群馬県1位) vs アルドール狭山FC(埼玉県3位)

さて続いての試合はラトルズの良きライバルであり狭山の可愛い後輩であるアルドール狭山が群馬県王者
tonan前橋サテライトに挑む一戦。アルドールはお揃いのジャージも製作し気合十分。



県1部昇格初年度で3位に食い込んだアルドール狭山、苦しい戦いが予想された今季リーグで開幕戦の坂戸シティ、
第2戦ではクマガヤSCと、2戦連続で優勝候補から大金星を挙げて勢いが加速。
前期8戦は7勝1分という驚異的な成績で首位争いを演じると、後期に入り一時は5連敗と失速するも終盤3試合で
しっかりと勝ち点を積み上げ関東社会人初挑戦。
下馬評では群馬県リーグを圧倒的な力で連覇したtonan前橋サテライトの有利が予想されていましたが、
リーグ戦前期で見せたような人数を掛けた堅守と、長いボール及びセットプレーから前線の個の力を最大限生かした
サッカーができれば番狂わせも十分に考えられる試合。狭山の代表として頑張ってほしい!

大舞台を前にしても緊張感の欠片もない北野選手(狭山毒蛇拉麺団員)、後ろの手は本田選手かな?



序盤硬さの見えるアルドールは開始僅か5分でtonanサテライトに先制を許す苦しい展開。
その後も快足ジョセフ選手と長身大園選手の2トップを軸に圧力を掛けるtonanサテライトに押し込まれ苦しい戦いを強いられます。


しかし幸いにも地力に勝るtonanサテライトが蹴り合いに付き合ってくれたこともあり徐々にアルドールもリズムを掴み始めます。
前線にハイボールに強い選手を並べ中盤にはセカンドボール奪取に長けたテクニシャンを揃え、ロングボールの蹴り合いには
滅法強いアルドール狭山、徐々にフィニッシュの回数も増え始めた前半36分、得意のセットプレーから鳥人山崎選手が
頭で合せ同点ゴール!
序盤の浮足立った時間に失った1点を帳消しにする大きいゴールを決め、1-1で後半戦を迎えます。



後半も試合はtonanが上回るもアルドールの守備陣が集中、特に守護神GK山下選手が素晴らしいセーブを連発し食らいつく展開。
しかし後半17分、自陣ペナルティエリア内での微妙な判定で石毛選手が一発退場、さらにPKを取られ絶体絶命のピンチ。


観戦する私たちもこのシーンでは粘り強く戦ったアルドールの敗戦を覚悟しましたが、このピンチを救ったのは守護神山下。
tonanサテライトのPKを見事にストップするビッグセーブ、一度は下を向いたアルドールの選手達も俄然息を吹き返します。

その後は運動量に勝るtonanの一方的な展開。アルドールの選手は次々に足をつる選手が続出し、一時は9人で戦う時間も。
しかし数度の決定的ピンチも守備陣の奮闘とtonanのミスにも救われ前後半を凌ぎ切り勝負はPK戦へ持ち込まれます。


こうなると精神的に有利なのは負けゲームを拾ったアルドールの方。
落ち着いてネットを揺らすアルドールに対し、tonan前橋サテライトはプレッシャーのかかるこの場面でなんと
3人連続で枠を外してしまいゲームセット。
90分間耐えに耐えたアルドール狭山FCが強豪を倒し2回戦へ駒を進めました。

【写真集 関東社会人サッカー大会1回戦 tonan前橋サテライト vs アルドール狭山FC】



さて、この日行われた1回戦は坂戸シティとアルドール狭山の他、埼玉勢はクマガヤSCが神奈川県王者六浦FCから5点を奪う快勝。
越谷FCとFC西武台は残念ながら敗れてしまいましたが、埼玉県から3チームが翌日行われた2回戦へ駒を進めました。

2回戦では坂戸シティとそのクマガヤSCが激突し、坂戸シティが2-0でクマガヤを降し準決勝進出、24日(土)に
関東リーグ昇格を賭けて東京都1位の強豪青梅FCと対戦します。

アルドール狭山の2回戦は山梨県の玉穂FC相手に1-1で迎えた後半AT、職人竹内の直接FKが決まりこちらも準決勝進出。
初戦で越谷FC、2回戦では神奈川県2位の横浜GSFCコブラを大差で降した千葉県1位VONDS市原との対戦になりました。

坂戸は5度目の正直となるか、アルドールは初挑戦で関東昇格の快挙なるか。
共に強豪との戦いとなりますが、2チームの勝利を祈りこの2試合も応援に駆け付けたいと思います。

それでは皆様、準決勝の観戦記でまたお会いしましょう!






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