超趣味的蹴球観戦記 Vol.16 [2012.04.28] ― 第46回 全国自衛隊サッカー大会 準決勝 FC3DEP VS ついきFC― みなさまご無沙汰しております。約1年半ぶりの観戦記となりましたが、決してサボっていた訳ではありません! この1年半の間、昨年栃木で行われた関東社会人を始めかなりの試合数を観戦して参りましたが、 多忙を理由にTwitterの実況だけでお茶を濁していたらこんなにも時間が経ってしまいました(笑) 今後は観戦した試合について極力レポートを上げていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。 さて、今回執筆させて頂くのはこちら、「全国自衛隊サッカー大会」の準決勝! なじみの薄い大会ですのでご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、日本中の自衛隊内のサッカーチームによる 全国大会で、今年で46回目を迎える歴史のある大会です。 なぜこの大会の観戦に訪れたかと言いますと、同じ狭山市でラトルズと同じ1968年に発足した古くからのライバルで、 現在埼玉県リーグ2部に所属するFC3DEP(航空自衛隊第3補給処)の応援に来たのであります。 FC3DEPとは狭山市リーグ時代から県3部、そして県2部と凌ぎを削ってきた地元狭山のライバル。 そして監督の河崎君とは中学校時代の同級生と、とても深い繋がりのある好敵手です。 会場は東京都世田谷区にある駒沢オリンピック公園の第二球技場。 平日出勤するのとほぼ同じ時間に出発し9時過ぎに現地に到着、既にFC3DEPと対戦相手のついきFC(航空自衛隊 築城基地・福岡県)の両チームが球技場前でウォーミングアップを行っていました。 まずウォーミングアップを見守っていたFC3DEPの正GK小林選手(現在は左手親指骨折中の為裏方に徹する)に挨拶、 若干人数が少なかったので確認すると、レギュラー組は球技場の中でアップしているとか。 すると談笑中に、昨年までFC3DEPの10番を付けていましたが今年3月に新潟分屯基地へ異動となりチームを離れてしまった 石川モンハン曹長が登場!旧交を温めつつ一緒に球技場内へ足を運びスタメンのメンバーに挨拶に行くことに。 ※あ、これは余談になりますが、対戦相手のついきFCが雄叫びを上げながらウォーミングアップをしてましたが、ジョギング中の 通行人や散歩中の家族連れの方々が滅茶苦茶ビビッてたので、できればあれはやめた方が良いと思います(笑) さて、競技場内に入るとFC3DEPはタッチラインに一直線に並びストレッチを行う坂戸シティ式ウォーミングアップの真っ最中。 と言いますのも、本来FC3DEPの監督は前述の河崎監督が務めていますが、今大会に限っては同じ部隊に所属しながら 普段は坂戸シティFC(埼玉県1部)の選手兼監督をしている熊谷監督が指揮を握るため。 大会期間中だけでなく、大会前から日頃のトレーニング等も熊谷監督が指導しながら今大会への準備を進めてきたそうです。 それでは対戦相手のついきFCの紹介ですが、福岡県築上町にあります築城基地のサッカー部のようです。 クラブとしては福岡県リーグ2部に所属しているとか、FC3DEPとは同じカテゴリ同士の戦いとなりますね。 約1週間にわたる長丁場の今大会、FC3DEPのような首都圏のチームは試合日のみ日帰りで参戦もできますが、 ついきFCのような遠方のチームはどのように対処しているのか確認したところ、なんと大会期間中はFC3DEPが 所属する埼玉県狭山市の入間基地に滞在してるんだとか。
さてそれではいよいよキックオフです。 FC3DEPはキックオフ直前に制服を着た上官の方から激励の言葉、そして全員で円陣を組んで出撃です。 FC3DEPはオリジナルメンバーに加え、先ほど述べた坂戸シティFC所属の熊谷選手兼監督と、 同じく坂戸シティ所属の佐々木選手がGK。 佐々木選手は坂戸の前にはラトルズのもう一つの盟友狭山アゼィリアに所属していた経緯もあり、 ラトルズにとっても私にとっても馴染みの深い選手です。 坂戸シティには馬渕選手という絶対的な守護神がいるためGKとしての出場はほとんどなくFWとしての登録となって おりますが、自衛隊で鍛えた驚異的なフィジカルで100mを11秒台で走る俊足という、訳の分からない選手です(笑) それからもう一人の目玉として、関東リーグ2部ACアルマレッザ飯能に所属する19番小木曽選手が3DEPの選手として 出場となっております。 さて、いつも通り前振りも長くなったところでいよいよキックオフです。 前半左から右へ攻めるついきFCはオーソドックスな4-4-2。中盤がフラット気味で2トップ以外は低い位置を取る布陣。 対するFC3DEP、22番新井選手をアンカーに入れた4-1-4-1。 32番春本選手を頂点に、中盤は左に七戸選手、右にアルマレッザの小木曽選手、そして中央高い位置に 坂戸シティ熊谷選手兼監督が流動的に動き、バランサーとして森選手が真ん中低い位置に入ります。 始まって5分で両チームの間に大きな力量差があるのが判断できましたが、双方それを十分に理解してこの試合に 臨んでるようで、FC3DEPは丁寧にボールを繋ぎながら主導権を握ろうとし、ついきFCの方は低い位置でブロックを作り カウンターで応戦する理に適った戦い方。 最初のチャンスはFC3DEP。左サイドで7番熊谷選手が縦に送り込んだボールを受けた32番春本選手が右足で上げた クロスに対し、19番小木曽選手が頭で合わせますが惜しくもゴールならず。 15分には左CKから18番金子選手が頭で合わせますが枠の上。FC3DEPが序盤から精力的に攻め立てます。 優位に進めるFC3DEPは19分に18番金子選手から相手DF裏へ送られたボールに対し32番春本選手が上手く抜け出し GKとの1対1に持ち込みますがブロックされます。 さらに21分、DFからの長いボールに反応した16番七戸選手がペナルティエリア内右45度から流し込もうとしますが これはシュートが弱くGKへ。 支配しながら得点が奪えないFC3DEPに対し、虎視眈々とチャンスを窺っていたついきFCにビッグチャンス。 24分に6番小林選手から左サイドでボールを受けた7番坂元選手が中へ切り込みながら右足を振りぬくと、 強烈な弾道のボールがFC3DEPのゴールマウスを襲いますが、辛くもGK佐々木選手の真正面。 攻めているチームが一発で失点しそのまま流れが悪い方向へ向かうというのはサッカーでは良くある展開、 FC3DEPとしては良い時間帯に何としても得点を奪いたいところ。 27分、左サイドをワンツーで突破した7番熊谷選手から19番小木曽選手に渡りますが得点には至らず。 さらに28分にペナルティエリア内から19番小木曽選手が狙いますが枠を超えて先手を取れない時間が続きます。 しかしこのアルマレッザ所属の19番小木曽選手はさすがのプレー。技術はもちろん高いんですが、さらに 前への推進力があり、フィジカルも強く球際でも非常に粘り強い、このレベルでは別格のプレーを続け一際 目立つ活躍。 そしてこの小木曽選手が遂に試合を動かします。 36分、7番熊谷選手の浮き球のパスに反応した19番小木曽選手が持ち込むと、相手DFのタックルが足に入り 微妙な判定でしたがPKを獲得。 このPKを22番新井選手が冷静に左隅に決めて3DEPが先制します。 優位な展開の中で先制点を挙げたFC3DEPはこのまま畳み掛けたいところでしたが、連戦の疲労もあるのか 先制後ややスローダウン。 ボールこそ保持するもののボランチを中心とした繋ぎのところで判断が若干遅く、視野も狭くピッチをワイドに 使えないため相手を揺さぶることができず。 パスの質も僅かずつですがズレが生じ、またパススピードにも欠けるため再三相手守備網に引っかけたり アプローチを受けて失うプレーを続けるなど停滞したリズムを変えることができません。 攻撃に関してはサイドへ速いボールがでない為、ダイヤゴナルに入ってくる前線の3人の動きに合わせ裏へと 送り込む形に頼る展開となりますが、守備陣の要センターバックの27番山本選手らの安定したプレーで相手に 決定的な形を作らせず優位な展開を保ちながら前半も終盤へ向かいます。 41分にはその27番山本選手がFKから頭で合わせますが枠の右。 42分、左サイドから32番春本選手が右サイドへサイドチェンジのパス、一度は相手守備陣に阻まれたかに 見えましたが、これを拾った7番熊谷選手から縦に絶妙なラストパスが出ますが16番七戸選手のドリブルは 相手GKに止められ悔しがるFC3DEPの面々。 さらに43分、CKから22番新井選手が狙い済ましたヘディングシュートを放ちますがポスト直撃でどうしても ゴールが遠い展開。 すると44分、カウンターからついきFC31番新開選手が左足で放った強烈なシュートがFC3DEPのゴールマウスを 襲いますが、偶然にもGK佐々木選手の真正面でヒヤリとするシーン。 あわや失点のシーンを作られ、時間的にもこのスコアで終えたいFC3DEPでしたが、右サイドで与えた不用意な FKから、こぼれ球をついきFC19番福田選手に蹴りこまれ1-1、まさかの同点で前半を折り返します。 後半FC3DEPはワントップの32番春本選手に替え、25番三村選手を投入。前線に小柄な選手を並べていた前半 に比べ、後半はこの三村選手がハイボールで競り勝つシーンなども多くあり、攻撃の良いアクセントになっていました。 3分にはFKからその三村選手が頭で合わせ後半もFC3DEPがファーストシュート。 8分にも25番三村選手がGKの真正面ながらシュートを放つなど、途中出場で意欲的にゲームを動かそうという 気持ちが強く窺えます。
高平選手の入ったことにより攻撃のスピードも増し、それまで良くまとまっていた相手守備陣に綻びが見え始めます。 すると23分、ドリブルでペナルティエリア内に持ち込んだ19番小木曽選手が相手DFのタックルを受け転倒。 前半にもPKを与えているため主審は笛を躊躇しましたが、明らかなファウルだったため線審が旗を上げてアピールし この試合2度目のPKをゲット。 このPKを守備で活躍していた27番山本選手が落ち着いて決めてFC3DEPが再度勝ち越します。 こうなったら押せ押せのFC3DEP、ついきFCの足も止まり始めたためスペースのできたピッチを完全に支配。 27分にはカウンターから7番熊谷選手が左サイドに展開、25番三村選手が相手DFを引き付けながら、 駆け上がってきた7番熊谷選手に絶妙のラストパスを送りますが、熊谷選手が狙ったループシュートは キーパーが難なくキャッチ。 しかし素晴らしい展開と遊び心を感じる好プレーにベンチ、そしてスタンドから3DEPを応援する関係者からも笑みが こぼれ始めるなど勝利に向け雰囲気も整い始めます。
36分に同じく途中出場の15番川口選手の素晴らしいミドルシュートが決まり3-1。あんなものを持ってるとは思いませんでした(笑) その後さらに44分にはCKからバーに当たったこぼれ球を、この試合の流れを引き寄せるキーマンとなった高平選手が 左足で当たり損ねながら押し込み4-1、FC3DEPが見事勝利し、翌日行われる決勝戦へと駒を進めることになりました! 決勝の相手は第2試合で勝利を飾った関東リーグ2部所属の海自厚木マーカス。 マーカスは関東リーグとのターンオーバーで両大会で勝利を収めるという恐るべき選手層を誇る強豪ですが、 FC3DEPの皆さん全員一致団結して戦って、何としても初優勝の栄冠を勝ち取ってほしい! 埼玉の地から皆さんの勝利を祈っています!!頑張れ3補!!! |
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