超趣味的蹴球観戦記 Vol.11 [2009.11.07〜08]

― 第43回 関東社会人サッカー大会 1回戦、2回戦 ―

ローカルフットボールをこよなく愛する皆さん、ご機嫌いかがでしょうか。
お待たせしました超趣味的蹴球観戦記第11弾!
日頃からラトルズのサイトを隅々までご覧になっている方々はもうご存知だと思いますが、
今回は山梨県で開催された関東リーグ2部昇格を賭けた関東社会人サッカー大会の模様をお伝えします。

関東昇格を目指すチームにとってはこのトーナメントのために1年間頑張ってきたと言っても過言ではないとても重要な大会、
さらに関東一都七県、各都道府県リーグの力関係を計ると同時に威厳を賭けた大会ということで、関係者だけでなく
一般のローカルフットボールファンからも非常に注目度の高い大会です。


※以下が各都道府県リーグで所定の成績を残し、今大会へ駒を進めた16チーム。カッコ内は県リーグでの順位と勝敗。

茨城 1枠
鹿島さわやかFC (1位 8勝3敗3分)

栃木 2枠
足利御厨UNITED (1位 11勝3敗)
宇都宮フットボールクラブ (2位 9勝1敗4分)

群馬 1枠
ジラーフ赤堀サッカークラブ (1位 7勝3敗2分)

埼玉 4枠
坂戸シティフットボールクラブ (1位 12勝2敗)
パイオニア川越事業所サッカー部 (2位 9勝2敗3分)
飯能セボジータス (3位 8勝6敗)
Aventura Kawaguchi (4位 5勝5敗4分)

千葉 1枠
馬来田FC (2位 8勝2敗3分 ※1位順天堂大学がこの大会への出場権がないため繰上げ出場)

東京 3枠
T.F.S.C (1位 12勝1敗)
東京海上日動火災保険潟Tッカー部 (2位 11勝1敗1分)
佐川コンピューターシステム (3位 8勝2敗2分)

神奈川 2枠
日本工学院F・マリノス (1位 8勝1敗2分)
六浦フットボールクラブ (2位 6勝2敗3分)

山梨 1枠+開催枠
玉穂フットボールクラブ (1位 5勝0敗1分)
韮崎アストロスフットボールクラブ (2位 3勝1敗2分)


例年通り埼玉県からは最多の4チームが出場。

▼初の埼玉県リーグチャンピオンに輝いた坂戸シティFCは昨年に続き2年連続2度目の出場。
  後ほど詳しく書きますが、初対戦の2003年からラトルズとは不思議な縁を持つも、今や押しも押されぬ
  西部地区の出世頭。
▼2位は常連としてその名を関東中に轟かせるパイオニア川越。
  21世紀に入り新興強豪クラブ乱立の波に押され多くの古豪が沈んでいく中で、一人気を吐き相変わらず
  上位に君臨する強豪中の強豪。
▼3位はこちらも常連、昨年は県2部との入替戦に回るも今季大量補強で本領発揮の飯能セボジータス。
  こちらはもう説明不要ですね。2002年以降彗星のごとく現れ圧倒的な力で県リーグを蹂躙、FC西武台と共に
  それまでの県リーグのパワーバランスを一気に崩し埼玉中に衝撃を与えた埼玉県の顔とも言えるチーム。
  マニアの間では「セボの保谷」と言えばその辺のJリーガーより有名です。
▼4位は最終節で大逆転の滑り込み出場Aventura Kawaguchi。
  2007年に当時県1部の与野SC SERENOを母体にAVENTURA SAITAMAとして発足。
  昨年に続き最終節の大逆転で3年連続出場、1回戦で大本命T.F.S.C(東京都1位)に挑みます。

さて、県3部時代から良く知るチームであり、目標として大きな存在でもある坂戸シティFCに飯能セボジータス、
FC西武台も県リーグ最終節まで今大会への出場が濃厚だったこともあり、3チームの活躍に期待して今回の観戦記は
大会の1ヶ月以上前から準備するという、かなり気合いを入れた企画となりました。
残念ながらFC西武台は県リーグ最終節で4位から転落し今大会への出場を逃してしまいましたが、
坂戸シティFCと飯能セボジータス、県3部西部地区から階段を駆け上がり今や県内有数の強豪クラブへと
成長したかつてのライバルを熱烈に応援する為に、何と総勢8名という遠征チームを結成し、
一泊二日で山梨まで観戦に行って参りました。

私自身、関東社会人サッカー大会を観戦するのは4年前の2005年、第39回大会以来2度目になります。
その時の観戦記でも同じような事を書きましたが、ちょっと前まで同じリーグで戦っていたと思いきや、今や埼玉を代表して
関東リーグ目前!そのあくなき向上心と血の滲むような努力にはただただ感服するばかりです。

例のごとく今回も表にしてみました。※スコアはラトルズから見た両チームとのリーグ戦での対戦成績です。

チーム/年度 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
坂戸シティ 市(優勝)
市(優勝)
県3(優勝)
●2-3
県2(15位)
○4-1
県3(8位)
●1-3
県3(2位)
○2-0
県2(優勝)
●0-4
県1(3位)
県1(優勝)
飯能セボ 市(優勝)
県3(2位)
●0-2
県2(優勝)
県1(4位)
県1(優勝)
県1(9位)
県1(2位)
県1(6位)
県1(3位)
狭山ラトルズ 県3(5位) 県3(7位) 県3(2位) 県2(12位) 県3(2位) 県3(優勝) 県2(12位) 県2(4位) 県2(4位)

飯能セボジータスとのリーグ戦での対戦は2002年の一度のみで、その後はセボジータスがストレートで1部まで
駆け上がったため以後公式戦での対戦はなし。しかしこう見るとセボの高いレベルでの安定感っぷりは半端じゃないですね。
坂戸シティとは何故か不思議な縁があって、シティが3部に来た年の2003年から2007年まで、毎年常に昇降格を共にする
ストーカーのような動き。対戦成績も毎年交互に勝ったり負けたりしていましたが、2007年県2部で完膚なきまでに叩きのめされて
終止符、以降は埼玉県内最強へと登り詰めたシティに大きく水を開けられています。

それにしても懐かしい。初期の県3部西部地区は次から次へと強豪チームが湧いて出る本当に困ったリーグでした。
県3部初年度の2001年に優勝県2部に昇格したFC西武台、2002年は狭山アゼィリアとセボジータスがワンツーフィニッシュ。
3年目の2003年に坂戸シティと共にようやく我らがラトルズも県2部へ昇格できました。(お互い即行で3部に逆戻りしましたが、笑)
他にも、現在県2部で上位常連となった北坂戸SCや、県3部初年度にFC西武台と共に県2部に昇格した鳩山SC、県2部昇格こそ
なかったものの初期の県3部を牽引した入間レガート、今でも県3部で奮闘するWAST入間、今年初の県2部で3位の好成績を
残したFC3DEPも非常に厄介な相手でした。
どのチームも西部地区の良きライバルであり、素晴らしい仲間達です。
それぞれのチームに当然好不調の波がありますから皆順風満帆という訳にはいきませんが、いつかまたこれらのチームと
同じリーグで(当然2部以上で!)優勝を目指して切磋琢磨したいですね。皆さん頑張りましょうぜ!

さてさて、そんな県3部西部地区出身の出世頭、坂戸シティFCと飯能セボジータスの応援に駆けつけたラトルズ8人衆はこちら。

私くま6監督こと熊田と、私と同い年のコーチ10番井上、15番将軍(本人の希望により実名顔出しNGということなのでニックネームで)、
11番斉藤、キャプテンの12番佐渡屋、主務の19番荒井、GK1番渡辺、会計の20番経塚、以上チームの運営に携わる主要メンバー
勢揃いで埼玉勢の応援はもちろん、ラトルズのレベルアップに少しでも役立つために、「レッツゴー山梨今夜は飲むぞ大会」に
行って参りました。

11時キックオフの 坂戸シティFC VS 宇都宮FC に合わせ、余裕を持って朝6時ごろ狭山市内のいつもの集合場所に集結。
圏央道狭山日高IC付近のファミマで朝食を漁っていたらなんと試合へ向かう坂戸シティの選手の皆さんに遭遇。
声を掛けて激励、これから応援に行く旨を伝えるもなかなか信じてもらえず、たぶん朝帰りの酔っ払いと勘違いされたんでしょうか?

そんなこんなで圏央道から八王子で中央道に入り、そろそろどこかのSAで休憩しようかという頃に突如として現れた、ボディに
パイオニアと書かれたバス!追い抜いた直後にメールで確認、思いっきりパイオニア川越の選手達を乗せたバスでした。

ファミマでの坂戸シティとの遭遇にパイオニア川越のバス。
ラトルズ軍団、自分達が試合する訳でもないのに明らかに出発早すぎです。
ルームミラーで後の車を確認すると、集合時間を設定した15番将軍が頭を抱えているのが見えます。
まあいいでしょう。早く着きすぎても困ることはありませんから…。



釈迦堂PAで休憩。朝7時から坦々麺はさすがに重すぎでした。


間近で観る富士山はやはりド迫力。
来年こそ富士登山企画実現させましょう。

その後も順調に進み8時30分という物凄い早い時間に韮崎着。キックオフまで2時間半、どうしましょ。
とりあえず韮崎駅付近のマックで時間つぶし。元マック店員20番経塚は、ついさっき釈迦堂ラーメンを
あれほど食ったくせにもう何かセット頼んでガッついてます。そりゃお腹がタプタプしてくるはずです。
自称雑学王19番荒井は山梨でも得意の知ったかぶりを発揮し「ハッシュポテトのセットを一つ」と注文するも、
店員さんに即座に「そんなセットはございません」と却下されて仕方なくハッシュポテトを単品で注文。
しばらくして電車で韮崎入りした10番井上と合流し、いよいよ試合会場の韮崎中央公園陸上競技場に向かいます。



坂戸シティFC VS 宇都宮FC が行われる韮崎中央公園
陸上競技場。ぶらぶら会場入りするラトルズの面々。


会場入り口、トーナメント表の前でおどけるのは
元マック店員20番経塚。

会場に到着すると埼玉県社会人連盟の役員として来場していた川越全酪SC監督の斉藤さんに遭遇。
わざわざ山梨まで大人数で観戦に来たラトルズを見て「ホントに意識高いな〜」などと繰り返しお褒めの言葉を頂きましたが、
一番の目的が夜の宴会だったということはもちろん内緒です。



ピッチ脇でウォーミングアップを行う坂戸シティFC。


邪魔にならぬよう心の中で叫びます。勝てよ!勝ってくれ!


スタンドから撮影。山が近い。きれいな景色です。


坂戸シティのサポーターの弾幕。素晴らしいサポーターです。


ホーム側、坂戸シティのベンチ裏に陣取るラトルズの面々。


この両チームを隔てる見えない壁。


ピッチでアップを始める坂戸シティFC。


こちらは宇都宮FC。揃いのピステで団結を強調、強そうです。

そろそろキックオフというところで川口SC監督の富岡さんや与野蹴魂会の代表村山さんら埼玉県社会人連盟の方々が続々と到着。
本当にいつもいつもご苦労様です。



試合前、整列する坂戸シティFC。小川代表、スタメンです!


入場する両チームの選手達。

整列前、ユニフォーム姿の坂戸シティFC代表小川さんに「スタメン?頑張って!」と声を掛けると「いや〜今日人がいないから」と
謙遜する言葉が返ってきましたが、いやいや!明らかに前より絞れているその体、日頃の努力を物語ってますよ!
確かにこの日の坂戸シティ、チームの中心熊谷プレイングマネージャーが不在などベストのメンバーではないのかもしれませんが、
どんなメンバーが出てもその強さは変わらないと聞く坂戸シティの選手層の厚さ、小川さんのプレーにも注目です。



いよいよ坂戸シティの関東に向けた戦いが始まります。


坂戸シティFC集合写真。これやってみたい。


円陣を組む両チーム。


いよいよキックオフ。

試合は序盤から坂戸シティのペース。圧倒的にポゼッションを握りじわじわと宇都宮FCを追い詰めます。
対する宇都宮FCは完全に自陣に押し込まれ苦しい展開。俊足のFW11番の個人技に頼る単発な攻撃。

すると前半17分、浦和レッズユースからルミノッソ狭山を経て今季途中に入団した元関東リーグ得点王の25番鈴木竜基選手が
スルーパスから抜け出してネットを揺らし坂戸シティが先制。さすがは頼れるエース、大舞台を経験しているだけに落ち着き払った
素晴らしいプレー、早朝ファミマで会った時のにこやかな表情からは想像もつかない戦う男の顔です。

優位に立つ坂戸シティが先制したことでこの先は落ち着いて観れるかなと思ったんですが、そこは相手も栃木の強豪、
簡単には勝たせてくれません。
22分に坂戸シティのミスを突かれ大ピンチを招きますが、守護神GK馬渕選手が好セーブで命拾い。
31分にはスルーパスで中央を突破されGKとの1対1を作られますがまたもやGK馬渕選手が立ち塞がり得点を与えず。
元日立栃木UVAのGK馬渕選手、本当に圧倒的な存在感でスタンドまで気迫がビンビンに伝わってきます。

その後もゲームを支配する坂戸シティに宇都宮FCがカウンターで応戦する形が続きますが双方得点を奪えず、
1-0と坂戸シティがリードして前半を折り返します。



ハーフタイムに気合いを入れる坂戸シティFC。


本当に天気が良く絶好のサッカー日和でした。

後半も序盤は坂戸シティのペースで進みますが、7分に宇都宮GKからのパントキックがそのまま坂戸シティのゴール前に渡り
まさかの失点を喫してしまいます。
後半開始早々に試合を振り出しに戻し俄然盛り上がる宇都宮FCに対し、追加点が欲しいところで逆に出鼻を挫かれてしまった
坂戸シティFC、スタンドで見守るラトルズの面々も静まり返り不安げな表情に。

しかし埼玉県王者坂戸シティの選手達は全く慌てずそれまで通り質の高いサッカーを展開すると、直後の9分にエース鈴木選手が
相手ペナルティエリア内で倒されPKを獲得。このPKを10番大貫選手が落ち着いて決めてすぐさまリードを取り戻します。
同点に追い付いた直後に再び突き放され意気消沈する宇都宮FCに対し、ここから坂戸シティのENJOY FOOTBALLが炸裂!

後半12分には遂に出ました代表の小川さんの素晴らしいアシストから7番矢内選手が得点で3-1!
大きな仕事を果たした小川さんは直後の15分にお役御免、拍手で称えられながらピッチを後にします。
それにしても小川さん、県3、2部時代は試合に出てもサブ的な役回りでどちらかというと縁の下からチームを支える
私と同じキャラだと思っていましたが見事にやられました。バリバリ試合に出てしかも結果も残す大活躍。ずるいぞちくしょー。
私ももう一花咲かせるべくこれから肉体改造に着手することにします。

2点のリードを得た坂戸シティはこの後やりたい放題。全選手の高いスキルを生かし手拍子をしたくなるような素晴らしい
リズムでピッチ全体を大きく使ってボールを動かします。
チーム結成時からの大黒柱である10番大貫選手が中盤の底に君臨、高い技術と広い視野でボールをあらゆる方向に散らして
リズムを作ると、今年の国体埼玉代表にも選出された8番山崎選手がずば抜けた技術で相手を翻弄し次々チャンスを演出。
後半32分にはその山崎選手のミドルシュートが決まり4-1、その後も危なげない展開で見事勝利、2回戦へ駒を進めました。
2回戦の相手は隣の会場で行われていた日本工学院F・マリノス(神奈川県1位)との1回戦屈指の好カードを制した
佐川コンピューターシステム(東京都3位)に決まりました。

それにしても坂戸シティのサッカーは本当に観ていて楽しい!
パスの質やファストタッチなど個々の高い技術、サポートの質、それから運動量などあらゆる要素が高いレベルで融合している
からこそなせる業だと思いますが、人もボールもどんどん動いてとにかく繋がる繋がる、雑なパスや逃げるようなロングキックは
1試合を通してもほとんど見られず、観戦しているこちらの想像を上回る華麗なパス回しにはラトルズの面々も自然に顔が
ニヤけて感嘆の言葉のオンパレード、本当に良いサッカーを観させていただきました。

坂戸シティFC圧勝の余韻が残る競技場を後にし、向かうは飯能セボジータスの試合が行われる昭和押原公園。
キックオフまで30分ほどしか時間がないため昼食はコンビニで済ませ、高速道路を使って先を急ぎます。
そしてキックオフから15分ほど経過したくらいに会場に到着。着いてまず第1試合で行われたパイオニア川越 VS 鹿島さわやか
の試合結果を確認すると、まさかまさかパイオニア川越が0-2で敗れたという情報。
驚きましたが、やはりどこも各都道府県リーグを代表する強豪チーム、簡単に勝てる相手はいないですね。

さて飯能セボジータスの試合ですが、1回戦の相手は千葉県代表の馬来田FC。私は初めて耳にするチームですが、
先日の全社で観戦した時にかなり手強い印象を持った同じ千葉県1部の小山田FCなどを抑えての出場だけに侮れない相手です。
本部役員席の裏で観戦する埼玉県社会人連盟会長の門田さんと理事の小島さんを見つけたので、ご挨拶に伺ったついでに
スコアを訊ねるとまだ0-0だとか。つい数分前にPKを与えてしまったものの、GKが見事防いだそうです。よっしゃ!

お二方と少しの間談笑しているとピッチから大歓声、振り返ると飯能セボジータスが大チャンスを迎え、10番菅波選手がゴール!
ドサクサに紛れて大喜びのセボジータスベンチに乱入し、椙田監督とのハイタッチに成功。何だか自分もチームの一員になった
ような気分になりました(笑)



セボジータスの試合は押原公園の人工芝で行われました。


真ん中の男(11番)は完全に爆睡。いったい何しに来たんで
しょうか。手前は実名顔出しNGの15番将軍です。

先制点を挙げ俄然勢いを増すセボジータスはさらに前半36分、左からのクロスをファーサイドでベテラン14番吉住選手が
中央へ素晴らしい折り返し、これを再び10番菅波選手が頭で叩き込み2-0、2点のリードで前半を終えます。

後半、次の得点が試合を大きく左右するだけに早めの追加点がほしいセボジータス、やはり頼りになるのはこの男です。
9番保谷選手!後半4分、右サイドでボールを受けると中央へ切れ込み、ペナルティエリア内から左足で沈め試合を
決定付ける3点目。もうね、何なんでしょうあのスピードは。走るって言うよりワープですよワープ。あんなの止められっこない。
しかもスピードに頼るだけじゃなく、オフの時にはチェックの動きを繰り返し自らスペースを作り出して最高の体勢で
ボールを呼び込む。守備時でも全く手を抜くことをせず前線で献身的なチェイシングを続けます。
いつ観ても思いますが本当に素晴らしい選手、保谷Tシャツとか売ってないかしら。



後半4分に試合を決定付ける3点目。


馬来田FCも左サイドの俊足の選手を中心に反撃。


向こうの方にいるのは馬来田FCの関係者でしょうか。


セボジータスのご家族の方々。ちびっ子もセボTシャツを着て
一生懸命応援しています。いいチームです。

その後も9番保谷選手や中盤の元アヴェントゥーラ11番大谷選手の鋭いドリブルなどを武器に試合を優位に進めると、
後半43分にはまたもや保谷選手がダメ押しの4点目をゲット。守ってもこちらも元アヴェントゥーラ3番立入選手の鉄壁の
ディフェンスなどで千葉県王者を全く寄せ付けずに完封、坂戸シティに続き、飯能セボジータスも見事2回戦へ駒を進めました。
飯能セボジータスの2回戦の相手は東京都2位の強豪、東京海上日動火災。試合後セボジータス椙田監督を激励に行くと
「あそこ強いんすよ〜」と言ってましたが大丈夫!セボだって強いよ!

さて、そんなこんなで初日1回戦、残念ながらパイオニア川越は敗れてしまいましたが、埼玉勢は3勝1敗。
そしてお目当ての坂戸シティFC、飯能セボジータスが揃って勝利を挙げたことで、ラトルズの面々は気分良く
会場を後にし、宿舎へ向かうことにしました。

今回の宿は、試合会場から車で約1時間半ほどの場所にある、山中湖の湖畔。
何故そんな遠くに、と思われた方も多いかと思いますが、遠征費を少しでも安く済ますため今回は私の勤め先の
保養所を利用したためです。一泊二食付で¥3000、その分酒代に回そうという我ながら素晴らしいアイデアです。



一人だけ浴衣を着用し旅館を満喫している20番経塚。


本当に面白い奴です(笑)

食後は大量に買い込んだ酒を部屋に持ち込み大宴会。皆今日観戦した試合に感動し大興奮、サッカー談義で大いに盛り上がり、
非常に楽しいひと時を過ごすことができました。

翌朝は7時に起床し、朝食や片付けを済ませて9時頃に宿舎を出発。出発間際に、お世話になった宿の女将さんの娘さんが
群馬県で行われているU-14の関東トレセンに参加していることが判明。さらに驚くことにナショナルトレセンに選ばれるほど
将来有望の選手だとか。本当にサッカーから切っても切り離せない山梨遠征になりました。



朝食の風景。皆ぐったりしてる中、20番経塚一人孤軍奮闘。
みんなのご飯をよそってくれています。


なんじゃこりゃー!集合写真を撮ろうと思いきや、
肝心なところでカメラ故障。もう寿命のようです。

さあ大会二日目、まずは韮崎中央公園陸上競技場で行われる 飯能セボジータス VS 東京海上日動火災保険梶B
今回はアウェー側、飯能セボジータスのベンチ裏のスタンドに陣取り、セボジータスのご家族の方々と一緒に応援です。
埼玉県社会人連盟の役員の方々は甲府に宿泊したらしいですが、富岡さん、明らかに酔っ払っています(笑)。顔が真っ赤っか。



ピッチ脇でウォーミングアップする飯能セボジータス。


そしてピッチでアップ開始です。


2回戦の対戦相手は東京都の強豪、東京海上日動。


円陣で気合いを入れる東京海上日動火災保険梶B


飯能セボジータス、今日は白のユニフォームを着用。


前日より若干雲が多いものの、晴れ間が見える絶好の
コンディションです。頑張れセボ。


セボジータスの集合写真、ラトルズと違って様になってます。


円陣を組む両チーム。

飯能セボジータス、鬼門の2回戦を突破できるか。いよいよキックオフです。
対戦相手の東京海上ですが、皆非常に大柄でガッチリとした体型。まるでラガーマンの様、それでいてよく走ります。
対するセボジータスはどうも体が重い印象、特に中盤の選手に前日のようなキレがなく、序盤から押し込まれ苦しい展開。

東京海上はシンプルにボールを動かし徹底的にサイドからセボジータスゴールを目指します。
しかもそのクロスの精度が抜群、セボジータス守備陣が必死のディフェンスで耐えますが、執拗にサイドから好クロスを
送り込みます。前日椙田監督が言っていた様に、東京海上相当強いです。

セボジータスは守備陣が深い位置まで押し込まれている上に中盤の選手が相手に走り負け、ボールを奪ってもなかなか
繋ぐことができずにどうしてもロングボールが増えてしまう厳しい展開。
エースの9番保谷選手も完全に相手に警戒されていて自由にさせてもらえず、ロングボールを受ける10番菅波選手はレフェリーと
相性が合わず、スクリーンをことごとくファウルと判定されてしまい、前線で全く起点が作れません。

すると前半23分、セボジータスの右サイドでゴールラインを割りそうなボールを東京海上の選手に拾われると、中央へドンピシャの
クロスを放り込まれ失点してしまいます。なかなか調子の上がらないセボジータス、さらに5分後の前半28分にも失点してしまい
2点のビハインド、絶体絶命のピンチに追い込まれます。
お互いに2連戦と同じ条件ですが、明らかにセボジータスの方に疲労の色が濃く見え、全く反撃できぬまま前半が終了。
ハーフタイムはセボジータスを応援するラトルズの面々も沈痛な面持ち、祈るような気持ちで選手達を見つめます。

そして後半、相変わらず東京海上にゲームを支配され苦しい展開が続きますが、守備の要3番立入選手が孤軍奮闘、
対人で圧倒的な強さを見せ相手に追加点を許しません。それにしても立入選手の強さは本当に凄い。
同い年の15番将軍はスゲースゲーを連発、立入選手の驚異的なプレーにかなり触発されたようで、
「また俺の引退が延びたな」などと桜木花道みたいなことを言っていました。嬉しい台詞です。



自作(?)の立入Tシャツを着て一生懸命応援するちびっ子
サポーター。最高の応援団です。


後半、東京海上ゴールに襲い掛かる飯能セボジータス。


すると後半18分、守備陣の奮闘に応え10番菅波選手が反撃の狼煙を上げるゴールを決めて1点差に追い上げます。
このゴールで勇気付けられたセボジータスの選手の動きが見違えるように良くなり、一気に流れを引き寄せます。
途中から入った27番佐々木選手が中盤で精力的な動きを見せ、しばらくはセボジータスの時間が続きますが、
惜しくも得点までは至らず。すると後半30分に息を吹き返した東京海上に非常に痛いゴールを奪われ1-3。
流れの良い時間に同点に追い付きたいところでしたが逆に突き放される痛恨の失点。
その後もセボジータスの選手は最後まで諦めず懸命に戦いましたが、このまま試合終了。
悔しいですが相手の東京海上強かった…。セボジータス、残念ながら2回戦で姿を消す結果になってしまいました。

しかし敗れはしたものの、セボジータスの選手達はこの二日間、本当に素晴らしい戦いを見せてくれました。
保谷選手や澤田選手など元からいるメンバーと、立入選手や大谷選手ら新しく加入した選手達がまるで遥か昔から
一緒にプレーしているかのように見事なチームワークで素晴らしい雰囲気、ご家族や友人の方々が一生懸命声を
枯らして応援する姿は感動的でした。本当にいいチームです。
しばらくゆっくり休んで、また来年、関東目指して頑張ってください。お疲れ様でした。

さて、セボジータスの試合が終わり、今度は坂戸シティの試合に向け会場を後にします。
会場となる小瀬補助競技場、大会数日前にこの会場に変更になったこともあり事前予習が全くできなかったため、
不安を覚えながらナビだけを頼りに向かいます。幸い大きなミスもなく無事会場に到着、試合は前半20分を過ぎた
ところでした。

坂戸シティFCの2回戦の相手は東京都3位の佐川コンピューターシステム。今季都1部に昇格していきなり3位に入り
関東社会人大会初出場。とは言っても都3部時代に全社に出場するなど、その実力は何年も前から関東クラスと評判、
関東リーグ経験者はもちろん、JFL経験者も多く名を連ねる強豪です。



ヴァンフォーレ甲府の本拠地小瀬競技場の補助グラ。


奥に見えるのが坂戸シティのサポーター。とにかく熱い!

まずはこの日も役員として来場されていた埼玉県社会人連盟の門田会長と小島理事にご挨拶に伺いスコアを確認。
坂戸シティが押し気味に試合を進めるも得点はなく0-0とのこと。ホッと一安心して坂戸シティのベンチ裏に陣取ります。
ピッチを見渡すと…、小川代表この日もスタメンで出場、こちらも自然と力が入ります。

言わずと知れた佐川系の強豪、そして昨年の関東社会人であの図南と好勝負を演じ一気に名を上げた坂戸シティ、
前評判の高いチーム同士の対戦という事もあってか、会場にはかなりの数のギャラリーが詰め掛けています。
坂戸シティのサポーターはこの日さらにパワーアップ、前日より人数も倍増し熱い応援でチームを鼓舞します。
大本命T.F.S.Cが初戦でまさかの敗戦を喫した為、この試合に勝った方が事実上の関東昇格とも考えられるだけに
両チーム火花の飛び散るような熱い戦い。

すると前半38分、アフターで佐川19番中澤選手にイエローカードが提示されると、続けてレフェリーの手によってレッドカードが
掲げられます。私達が到着する前に既に一枚イエローカードを受けていた模様。頭を抱える佐川の選手達や関係者。
これで坂戸シティが俄然優位に立ち、私達ラトルズの面々も思わずガッツポーズ。
あとは坂戸シティがどう料理するかに注目が集りましたが、そう上手くいかないのがサッカーの怖いところ。
退場の宣告から3分後の前半41分、佐川のFKから坂戸シティ守備陣にミスが生まれまさかまさかの失点。
坂戸シティにとっては時間的にも非常に痛い失点、1点ビハインドで前半を折り返します。



戦況を見守る坂戸シティFCのベンチ。


本部役員席。

1人少ない状況で先制点を得てやることがはっきりとした佐川CS、前線に元SAGAWA SHIGAの長身FW13番根本選手を1人残し、
4人の最終ラインを自陣に張り付かせ強固なブロックを形成します。
時間はたっぷり残っているとはいえ、こうなると非常にやり辛いのは坂戸シティ。
数的優位を生かしほとんどの時間でボールをキープしますが、経験豊富な選手を揃える佐川CSに要所を抑えられ得点を奪えず。
時折鋭いカウンターを浴びるなど観ているこっちもハラハラドキドキ寿命の縮むような試合展開。

刻一刻と時間が経過し会場内は張り詰めた緊張感が漂います。
坂戸シティは焦ることなく普段通りのパスサッカーで隙を窺いますが、集中の切れない佐川CSをどうしても崩せず。
何としてもこの1点を死守したい佐川CSは、カード覚悟のアフターぎみのファウルや容赦ない“口撃”を繰り返すなど
なりふり構わない戦いっぷり。
残り5分となった後半40分頃から坂戸シティーは4番DF水沢選手を前線に上げパワープレーを選択、
それまでの華麗なパスサッカーを捨て、長いボールを前線に放り込みます。

すると敗色濃厚となった後半45分、相手ゴール前にこぼれたボールをその水沢選手が体を投げ出しながら押し込み
奇跡の同点ゴール。喜びを爆発させる坂戸シティ、とラトルズの面々、ピッチにへたり込む佐川CSの選手達。
私ももう何がどうなったのか、カメラをほっぽり投げて両手を突き上げながらピッチに向かって走ってました。
そしてロスタイムを消化し、試合はPK戦へ。
一般的には追い付いた方が精神的に優位に立ち勝率が高いと言われているPK戦。
統計を取った訳ではありませんがそう信じたい、とにかく両手を合わせて祈ります。GK馬渕選手、頼む…。



PK戦の前。こんなに緊張することは滅多にない。


円陣で気合いを入れる坂戸シティ、を見つめるラトルズ軍団。


全員が一つになって戦う坂戸シティ。


PKというのは本当に残酷です。

先行の佐川CSは1人目が冷静に決めます。
坂戸シティの1人目は前日の試合でPKでゴールを決めている10番大貫選手。
助走で巧みな駆け引きをしながら左隅に強いボールを蹴るも、完全にGKに読まれまさかのミス。
その後2人目、3人目、4人目と両チーム確実に決め、先行佐川CSの5人目。
ロスタイム同点弾と同じように土壇場での粘りを期待しましたが、確実に決められてしまい試合終了。
残念ながら坂戸シティの今季関東への挑戦がここで潰えてしまいました。

かつてバッジョが言っていました。「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気のある者だけだ」と。
マラドーナもジーコもバッジョもピクシーも、失敗が人々の記憶に深く刻まれているのはそれだけ重要な場面で
チームを背負う勇気があった証、大貫選手も。顔を上げて次に向かって頑張ってほしい。
結果は残念でしたが本当に素晴らしい戦ぶりでした、坂戸シティも、セボジータスも。本当に観に行って良かった。
来年こそ関東へ、両チームの健闘を心から祈ってます。

さて、という訳でラトルズ軍団の山梨遠征、無事終了いたしました。
残念ながら埼玉勢の敗戦を見届ける結果になってしまいましたが、皆さんの素晴らしい戦いを直接見ることができ、
ラトルズのメンバーにとっては非常に貴重な体験、そして多くの刺激を受けることができました。

同い年の立入選手のプレーに刺激を受けて来期に向け鼻息の荒い15番将軍、坂戸シティーのパスサッカーを観て
どうしたらあんなにボールが動かせるのか無い頭を振り絞って語り合っていた12番佐渡屋と19番荒井、
2回戦坂戸シティの試合で私達の一団を離れ、一人馬渕選手の近くに寄ってプレーやコーチングをその目に焼き付けていた
GK渡辺、小川代表に強烈なジェラシーを感じもう一度華やかなピッチへの復帰を考え始めた私と10番井上、
自分と同じポジションの澤田選手の献身的な働きを見て倍の努力を誓った20番経塚、ただ飲んで寝ていた11番斉藤…。

この貴重な経験を新たなモチベーションに変えて、来季のチーム作りに生かして行きたいと思います。
関東社会人大会に出場されたチームの皆さん、本当にお疲れ様でした。


※その後の大会結果。

準決勝に駒を進めたのは1回戦でパイオニア川越を破った鹿島さわやかFC(茨城)、
2回戦でセボジータスを破った東京海上日動火災保険梶i東京)、
坂戸シティを破った佐川コンピューターシステム(東京)と、
1回戦で大本命T.F.S.C、2回戦で地元韮崎アストロスを破ったAVENTURA KAWAGUCHI(埼玉)、
の4チーム。

そして昇格決定戦となる準決勝、東京海上が鹿島さわやかに2-1で勝利し関東2部昇格、
もう1試合はAVENTURAが1回戦の不正行為で失格となったため、不戦勝で佐川CSが関東2部昇格、
佐川CSは都4部から毎年昇格、関東も初出場で1発クリアの離れ業。
今年も東京強しという印象を残し幕を閉じました。東京勢はここ3年で5チームが関東昇格です。


与野蹴魂会が県リーグ、ルミノッソ狭山、ACアルマレッザも関東2部へそれぞれ降格濃厚と、
埼玉勢にとってはあまり良い年ではありませんでしたが、来季は良い年になることを期待したい!
そしてラトルズも、来季こそ1部昇格を達成できるように頑張りましょう!




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